[Quora] バイクに乗ろうとしたら家族から反対されたけど、そんなにおかしいこと?

Q&AサイトのQuoraにたまに回答しているのですが、ブログにも一部の回答内容を残して置こうと思います。

ご質問

還暦を超えた今、自動2輪免許が欲しくて仕方がありません。若い時に50CCは良く乗っていました。しかし、運動能力の低下など危険だから家族の同意が得られそうにありません。そんなにおかしなことでしょうか?

※質問ページ

最近は高齢者の自動車事故が増えていますから、ご家族としては心配ですよね。

回答

一般的な家庭で「バイクに乗りたい!」と言えば年齢に限らず反対されることの方が多いです。特に80年代のバイクが一大ブームになった交通戦争前後の記憶がある方は「バイク=死」のイメージが先行するのではないでしょうか。逆に言えば自分のみを損得勘定無しに心配してくれる家族がいるというのは、ありがたいことの裏返しでもあると思います。余計なお世話かと思いますが、大切になさってください。

ただクルマであったとしても、自転車や徒歩であっても常にリスクはつきものです。もしどうしても乗りたい気持ちが強い場合、どれだけ安全に気をつけて乗るか、その対策を具体的にご家族に説明されるのがよろしいのではないでしょうか。危険だと思っている相手に「大丈夫だから」というだけでは納得してくれません。自ら危険な乗り物であると認めた上で、それでも乗りたいという気もちと、どのような対策で挑むのかをお話になるのがよろしいかとおもいます。

例えばですが、以下のような項目が説得材料にならないでしょうか。

常にプロテクターを装備する

死亡率が最も高いのは頭を強打することですが、次に高いのが胸を強打することです。脊髄を強打すれば半身不随に、関節部をなら壊死する前に切断するこもありますが、プロテクターを装着すれば100%ではありませんがある程度はダメージを軽減することができます。もちろんヘルメットはフルフェイスやジェットなど安全性の高い物を選択してください。教習所でも習うと思いますが長袖、長ズボン、しっかりとしたグローブ、くるぶしまで覆うシューズなどを装着されれば安心ですね。

インナーであれば好きな服を着れるのでオススメです。

ちなみにご予算が許せばバイク用のエアバックも以前から警察が推奨しています。ぜひご検討ください。

安全機能がついている車種を選択する

バイクはクルマに比べれば安全装備の進化が遅いです。ABSもクルマでは標準装備が当たり前ですが、バイクでは最近ようやく最初から搭載された車種が増えてきました。旧車に乗られたい場合は難しい面もありますが、意識的に安全に適した機能が付いた最近の車種を選択することで安全性を高めることができます。例えばABSはもちろんですが、後輪が滑るのを防いでくれるトラクションコントロールなどもオススメです。あとハザードが付いてない車種もかなりありますのでご注意を。

ドラレコは今や必須

自分自身が気をつけていても、周りのクルマに追突されたり煽られることは日常茶飯事です。クルマとは比較になりません。特に交通量の多いところや高速道路では私もよく遭遇します。ところがヘルメットの横にアクションカムを装着し始めてからは、煽られる頻度が減った印象です。明らかに撮影していると相手に伝わると車間距離を取ってくれるケースが多いです。またいざ事故となったときは証拠にもなります。事故になると平気で嘘をつく方は少なからずいらっしゃいますので自衛のためにも何らかの撮影を行うと自分の身を守ることになります。

私はソニーのAS300を利用中。そのうちYouTubeデビューもしたいところですw

前後ドラレコは後方のモニターとしても活躍してくれるのでこちらも併用できればベストですね。

任意保険は保障の厚い物を

とは言え、自分の不注意や相手の過失などでいざ事故になると体に大きな障害が残ることもあり、自分の今後の人生に大きく影響してくることも考慮する必要があります。完全な人間などいませんのでこればかりはしょうがありません。そんな折、任意保険は少しリッチにかけて置くとご家族も安心されると思います。

ご存知かもしれませんが対人対物無制限は当然として、他には相手が任意保険に入っていなくても保証が受けれる「無保険車特約」や、過失割合に関わらず怪我などをした際に一定額を保険会社から即時支払ってくれる「人身傷害保険」は保険料が上がりますがぜひご検討ください。(私は年間数万円上がりましたが入っております)

走行時の約束をする

また具体的な走行方法についても家族と約束をしておくと良いのではないでしょうか。

  1. 寝不足や体調が少しでもおかしい時には乗らない
  2. 夜間、雨の日、風の強い日は乗らない(風に流されると最悪死にます)
  3. すり抜けは周りの車両が停車しているときだけにする(渋滞中など)
  4. 慣れるまで高速道路は乗らない(最初の1年など決めておくと良いかもしれません)
  5. 慣れるまで二人乗りはしない(免許取得から1年以上経過しないと法的にもNGです)
  6. 慣れるまでは日帰りツーリング
  7. 峠を攻めたり無茶な走り方はしない、法定速度+アルファ
  8. 危険な道は走らない(林道なども最初は避けた方が良いかと)
  9. 乗車前点検、日常点検は欠かさず、月に一度は忘れずに。1年点検はお店に出し車両を万全の状態に。

また走行ルートを事前に共有するのも良いかもしれません。スマホで位置情報を共有したり、Twitterなどをされるようでしたら、ツーリング中に写真や場所などを投稿することでご家族がどのあたりにいるかわかるのは安心できると思います。慣れてきてご家族の理解が深まってきたら徐々に距離を伸ばし、高速道路などを使い泊まりがけのツーリングなどを楽しまれると良いのではないかと。

素敵なバイクライフを!

ここまでをご家族にしっかり「プレゼン」されれば多少は安心していただくきっかけになるのではないでしょうか。思いつきではなくしっかりと後先のことを考えていることを伝えることができるかが大切だと思います。

バイクは簡単に死にますし、死ななかったとしても後遺障害が残る事故も多いです。そのため私自身は他の人に勧めることはほとんどないのですが、ぜひ一度は乗車していただき日常では得ることのできない貴重な体験や、景色を見ていただきたいと常々考えています。

一度しかない人生です。もしバイクへリターンされることになった暁には安全にくれぐれも気をつけて、良いバイク人生をお送りください!