[Quora] プログラマーはフリーランスを目指すべき?

Quora回答シリーズです。

質問

これからの時代、プログラマーフリーランスを目指すべきですか?

https://qr.ae/pNyMvz

「会社員」という仕組みはは先人が苦労して積み上げてきた物なので実は多大なメリットがあったりします。そのメリットを捨てるだけの勝算があるのかというお話をしてみました。私も今はフリーでやってますが、早期リタイアしなければ目安として年金が支給される65歳まで続けるかどうかは正直疑問があったりしますw

回答

できるなら止めた方が良いです。 会社員には非常に多くのメリットがあります。

労働法に守られている

フリーランスとして契約(特に請負契約)をしよう物なら、莫大な時間を労働に費やすことになっても誰も守ってくれません。結果的に過労死しようが自己責任の世界です。それに比べ会社員は労働法という非常に強力な法律に守られています。日本ではなぁなぁになっていますが本来残業は違法ですし、労働時間の上限も定められています。もし会社との契約内容が労働基準法に満たない場合は契約自体を無効とすることができます。それくらい労働法は本来は強力な法律です。

金銭的なメリットが大きい

例えば仕事について勉強したくなった場合、専門書や有料の講習代を会社が負担してくれる場合もありますよね。歓迎会では会社負担の場合もありますし家賃補助がある会社もあります。また健康保険の窓口負担が会社が加入する健康保険組合によっては1ヶ月の上限が2〜3万円で済んだりします(国保は約7万円)。厚生年金は自分で支払う分の他に会社も同額を収めていますので、収入にもよりますが平均としては国民年金の2倍以上を受け取るができると言われています。こういった直接的に金銭的なメリットが多分にあります。

職を失ってもセーフティネットが厚い

給与明細に「雇用保険」の項目ありますよね?これに加入していれば明日会社が潰れたとしても、もし人員整理にあって首を切られたとしても会社都合であれば失業保険がすぐに給付されます(数日の待機期間、6ヶ月以上の雇用保険の加入、就職活動を行うなどの条件はあります)。給料未払いで倒産してしまった場合は国が保証してくれる制度も利用できます。しかしフリーランスにはこういったセーフティネットは通常ありません。仕事が無くなったら収入は0円です。実質ニートです。常にこの恐怖と戦うことになりますのでメンタルが弱い方はぜひ会社員に踏みとどまっていただくことをおすすめします。会社員であれば座っているだけで給料が入ってきます。

社会的な信頼が絶大

よほど名前の通った実績がある方でないと、社会的な信頼はほぼ無いと言っても良いです。例えば具体的には以下のようなデメリットがあります。

  • クレジットカードの作成や、ローンを組むことが会社員に比べて難しい(基本的にクレカは会社員時代に作成します)
  • 賃貸などで部屋を借りる際、審査に通りにくくなる

また業務に置いても支障がでます。例えば面識の無い企業にアポを取ろうとした際に、一部上場企業やそのグループ会社であればアポは取り放題です。とりあえず話は聞いてもらえます。会社員であればその組織の一員として見られますので言い方は悪いかもしれませんが会社の信頼を自分の物として利用できるわけです。しかしこれが個人になると知り合い以外は門前払いにされることを覚悟しなければなりません。こういった対応をされると結構メンタル的に辛かったりもします。

本業以外の業務がほとんどない

ある程度の人数がいる会社では役割分担がされ、各分野のスペシャリストが存在していますよね。しかしフリーになった瞬間、そのすべてを自分が担当することになります。

もちろんアウトソースすれば良いのですが全く勉強しないわけにはいきません。契約を交わしたり何らかの商業活動を行うのであれば法務的な知識が必要になりますし、最低でも年に1度は確定申告を行うため経理財務の知識もかかせません。フリーランスは「経営者」ですからファイナンスや数字に苦手意識がある場合は困難な状態に陥りがちです。いわゆる総務的な仕事も降り掛かってきます。もし営業職以外で独立された場合も、最低限の営業活動は必要です。こういった本業に集中したいのになかなかさせてもらえない、またはこれらに向いていないためにフリーを辞めてサラリーマンに戻る方はたくさんいらっしゃいます。

なぜ人はフリーになるのか

ではなぜ人はこれらの莫大なメリットを捨ててまでフリーランスになるのでしょうか?大きく2種類あると言われていまして、大抵の方は以下のどちらかに該当するはずです。

  • 実績や高度なスキルがあり、非常に高額な報酬が期待できる
  • 会社員(組織)に向いておらずフリーランスとして生きていくしかない

ちなみに私は社会不適合者なのでどちらかといえば後者ですw \(^o^)/オワタ

閑話休題。 もし自分が前者であると自負できるのであれば、先に上げたようなリスクを取って独立するのも良いと思います。一度きりの人生です。後悔が無いよう挑戦するのは非常に意義のあることですし、運が良ければそれに見合うリターンも期待できます。

後者の場合に一番困るのはどこから仕事をもらうかですね。単発ではなく継続的に取って来る必要があります。最近は案件を紹介してくれる会社もありますが30〜40%の「手数料」を取られますし、客先に常駐して働くケースが多くあります。最悪です。こういったところからしか仕事がもらえないとなると、会社員と環境や待遇がそれほど変わらないのにリスクばっかり取る羽目になります。つまり技術力もですが仕事を取ってくる営業力やコミュ力が超重要。

というわけで前者にせよ後者にせよ、独立するためのゴールデンパターンは、会社員時代に実績とコネを作りまくることです。どちらか一つだけではなく両方が必要です。また会社員時代にサイドビジネスとして少しずつ始めておくのも効果的です。最近は副業も解禁の流れにありますのでちょうど良いかもしれません。サイドビジネスが軌道にのり会社を辞めても食べて行けると確信できたタイミングで独立できれば最高です。

なぜフリーを目指すのか、目指さなねばならない理由は何か、フリーになって生活できるだけの実績やスキル、それ以上のコミュ力があるのか…それらの状況によって各人が決めればよいのではないでしょうか。必ずしもフリーになる必要はありません。もしここまでに上げたことが難しいと感じたなら会社員やってた方が幸せではないかと思います。

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