フリーランスが経費にする際の勘定科目メモ

確定申告終了まで残り68日となりました(執筆時点) みなさん順調に入力進んでますか?こちらは地獄ですw

今回は自分でも時々わからなくなる勘定科目についてメモ代わりにまとめました。 定期的に思いついたら更新したいと思います。

前提のお話

私は大きく2つの事業を行っております。

  • ゲーム関係の企画、コンサル、技術的なサポートと一部開発及び運用
  • 専門学校の非常勤講師

あくまでこちらの範囲で登場するの勘定科目のうち、私が利用している物に限定されます。

免責事項

  • ここでいうフリーランスとは「個人事業主」のことを指しています。
    • 会社会計の場合はまた異なりますのでご注意を。
  • ここにある物が100%の正解というわけでありません。あくまで個人的な知識と見解でメモしておりますので最終的にはご自身の考え方で仕訳をなさってください。ご不明な点は税理士の先生や税務署にご相談ください。
  • 「経費」とタイトルに書いてありますが売上など収益についての勘定科目も登場します。
  • 一定額を超える物を購入した場合は資産として計上する必要があるのでご注意ください。

それでは張り切ってどうぞ。

固定費

事務所関連

自室で仕事をすることが多いので、一部事務所として計上しています。仕事道具や執務スペースの大まかな面積比率で家事按分を行っています。

用途勘定科目備考
家賃地代家賃家事按分を適用(大体の面積)
電気料金水道光熱費家事按分を適用(大体の利用頻度)
水道料金水道光熱費(未計上)
ガス料金水道光熱費(未計上)
携帯電話料金通信費家事按分を適用(大体の利用頻度)
プロバイダ料金通信費家事按分を適用(大体の利用頻度)
トランクルーム雑費備品や書類の保管場所。高額なら地代家賃

各種サービス利用

クレカやAmazonPrimeの年会費も家事按分してますね。

用途勘定科目備考
クラウド会計通信費MFクラウド、freeeなど
クラウドストレージ通信費iCloud, OneDrive, GoogleDrive, Dropboxなど
クレジットカード年会費諸会費
AmazonPrime年会費諸会費

変動費

備品

用途勘定科目備考
パソコン(本体)消耗品費
パソコン(部品)消耗品費HDD、メモリ、USBハブなど。
ネットワーク機器消耗品費ルータ、ハブ、LANケーブルなど。
パソコンソフト消耗品費MSOffice、Adobe製品など。
スマートフォン消耗品費iPhone, Android製品など。

消耗品

用途勘定科目備考
文房具事務用品費
名刺広告宣伝費

銀行

用途勘定科目備考
自分で入金元入金事業資金を追加した場合
売上の入金売上高源泉徴収された場合は、売上との差額分を「事業主貸」とする
ネットオークションで売却雑収入規模が大きければ売上。本業に入らないなら事業主借
振込手数料支払手数料

書類・手続き

用途勘定科目備考
切手/はがき通信費
収入印紙租税公課契約書や領収書に貼る物。印紙=税金(納税)
住民票租税公課
コピー事務用品費
プリント出力事務用品費コンビニプリントなど
クラウドサービス利用通信費Misocaなどを利用した場合

移動

用途勘定科目備考
電車旅費交通費日付と区間を記録(領収書不要)
電車(定期券)旅費交通費領収書必要。
電車(回数券)旅費交通費領収書必要。
バス旅費交通費日付と区間を記録(領収書不要)
タクシー旅費交通費日付と区間を記録、領収書必要

コミュニケーション

用途勘定科目備考
会議/打ち合わせ会議費
お土産接待交際費
会食/交流会接待交際費
年会費諸会費○○協会、○○学会などに入っている場合

事業固有の物

インフラ

用途勘定科目備考
レンタルサーバ通信費AWS/GCPなどの利用
ドメイン取得・更新通信費お名前.com/ロリポップなどの利用

開発

用途勘定科目備考
GitHub通信費
ChatWork通信費
ノマド会議費仕事をするために一人でカフェなどを利用した場合。最低限の飲み物代のみで食事等は含めない。

外注

用途勘定科目備考
作業などを発注外注費

調査・学習

たまに「ゲーム購入やアプリ課金は経費にならない」という意見をネット上で見かけますが、仕事でやってる場合はもちろん経費に計上できます。最終的に売上につながる物であれば(もちろん常識の範囲内でですが)経費となります。

用途勘定科目備考
書籍/雑誌新聞図書費
電子書籍新聞図書費
アプリ購入/課金消耗品費少額で単発なら雑費
セミナー/勉強会研修費少額で単発なら雑費
オンライン講座研修費少額で単発なら雑費
動画サービス雑費dアニメ, ニコニコプレミアムなど
映画鑑賞雑費

その他

バイク

仕事での移動で利用しているため経費として計上。プライベートと共用のため全て家事按分を適用します。

用途勘定科目備考
車両購入車両運搬具
ガソリン車両費業務走行の利用分のみ計上。旅費交通費でも可だが途中で変更しない
部品購入車両費
整備車両費
駐車場(月極)地代家賃
駐車場(一時利用)旅費交通費領収書必要
高速料金旅費交通費日付と区間を記録、領収書必要
任意保険保険料

資産

30万円未満は資産計上しなくて良い(任意)

2020年2022年3月31日まで、特例として30万円未満の購入については、資産ではなく経費として一括で算入することができます。制約はありますが積極的に利用したい制度ですね。

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例 中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成32年(2020年)令和4年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。 ※国税庁サイトより

この制度の利用は任意です。これまで通り資産として計上したい場合はもちろんしてもかまいません。

最終日が伸びていたので本文を修正

特例利用時の手続き

手続きとしては確定申告時に必要な明細を提出するだけです。 フォーマットが国税庁のサイトで配布されています。

 この制度の適用を受けるためには、確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付することが必要とされています。  ただし、青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に次の事項を記載して確定申告書に添付して提出し、かつ、当該少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保管することにより適用を受けることができます。  1. 少額減価償却資産の取得価額の合計額  2. 少額減価償却資産について租税特別措置法第28条の2を適用する旨  3. 少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保管している旨 ※国税庁サイトより

経費にならない物

個人の収入にかかる税金

  • 住民税
  • 所得税
  • 復興税

例えば「事業税」は事業に対して課されますので、納税の必要がある場合は租税公課にできます。

消費税の扱い

以下の両方ともに該当しなければ、消費税を納める必要はありません。そのまま売上の一部として計上します。

  • 開業後、2年間を超える
  • 課税売上高が1,000万円を超える

3年目以降で売上1000万円を超えてしまった場合(しまう場合)、消費税は預り金扱いで処理することになります。あくまで預かってるだけなので経費ではありません。

変な話ですが、売上1000万円をわずかにでも超えてしまうとその瞬間8%の課税(将来的に10%)が襲いかかってきますので、少額の場合は何とか900万円台でとどめるようがんばって調整した方がお得です。最低でも80万円の支払いが発生するわけですから痛いなんてもんじゃない、激痛ですw 逆に大幅に1000万円を超えるのであればその時は法人成りを検討することになります。

税金は減るが事業ではない物

その他の控除については国税庁のサイトをご覧ください。

駆け出しクリエイターのための お金と確定申告Q&A
桑原清幸
玄光社
売り上げランキング: 25,154