最近はどうかわかないけど、ちょっと前の日本人とドイツ人は気質が似ているという話を聞いたことがあります。 昨年ドイツ語の授業をとっていたこともあって、今でもすごく興味がある国の一つなのですが、今年民法の授業をとって、なるほどと膝をたたきました。
日本の民法が初めて作られた時、当初はフランス人法律家を日本に呼び寄せ、フランス民法をベースに作られたのですが、できあがった物を見てこれは日本人に合わないのではという議論がわき上がり、まだ作成途中だったドイツ民法の考えを随所に取り入れて出来たのが現在の日本民法だそうです。
ドイツ民法は他のヨーロッパ諸国と比べ100年程度遅れて作成されたそうです。法律だけでなく文化自体も遅れをとっており、早急な発展が必要とされていたため、次のような考えが盛り込まれることに。
- 約束(契約)は必ず守る
- 約束(契約)を破った場合は、その損害を補填すること (=完全賠償)
まだ江戸文化が残る明治時代に施行された日本民法ですから、この武士チックな考えが受け入れられたのは自然なのかもしれません。 で、これらの考えはもちろん現在でも、条文に生かされているわけです。
諸外国では契約を履行できなかった場合、その時点で裁判を行いどれだけ賠償するかを決める(部分的な賠償)、という考えがほとんどで、現在、世界中の主立った国はこれを採用しています。 ※事実上、これがデファクトスタンダード。
法律というのは、ある種それが道徳のように浸透する場合があると思うんですね。約束は必ず守る、守れなかったら同じ分を償う必要がある(等価交換?)。日本人とドイツ人の気質が似ていると言われた理由の一つは、根底でこの意識を共有しているからなのかもしれませんね。
しかし法律は面白いね~。こういう背景にある考えと、現在の様々な事象をリンクして思いを巡らせると、ワクワクしてきます。法律家がはまる気持ちがちょっとだけ分かる気がします。
今年はハズレ授業も結構あるけど、当たり授業も多くて面白いっす(・∀・)